国産いちご


いちごの歴史

いちごの歴史

石器時代の昔から私たち人類は「野いちご」と呼ばれる野生のいちごを食してきましたが、現在スーパーなどで販売している「栽培いちご」が誕生したのは18世紀のオランダでのことと言われています。15世紀にアメリカからヨーロッパに渡った「バージニア」という大粒の品種とオランダの野生種とが交配され誕生した「いちご」が「栽培いちご」の原形となるのですが、日本へは江戸時代の末期にオランダ船により長崎に伝えられ、当時は「オランダいちご」と呼ばれたそうです。

その後、明治になり欧米から苗を取り寄せ本格的に栽培が始まりましたが当初は上手く行かず、品種の改良や栽培技術が向上することで、明治32年に国産品種第一号となる「福羽」が誕生します。このイチゴを育種したのが「日本のいちごの父」と呼ばれる福羽逸人子爵です。福羽子爵は「福羽」を新宿御苑内にある温室で栽培し皇室に献上したので、別名「御料いちご」とも呼ばれました。

そして、当初は門外不出の「福羽」でしたが宮内庁が許可し全国的に栽培が広まり市場にも出回るようになり、戦中は一時国策の上で栽培が停滞した時期もあったようですが戦後はすぐに復興し、品種改良と技術開発により目覚しい発展を遂げるいちご産業の礎を築く品種となりました。



現在の状況

現在の状況

日本は世界有数のいちごの生産国です。FAO〔国連食糧農業機関〕のレポートによると、日本は、1位の米国〔894,000t〕、2位スペイン〔329,000t〕に次ぐ3位で生産量は210,000tとなっています。
米国とスペインは近隣諸国への輸出があり加工需要も多いことに対し、日本では輸出は殆どなく加工需要が少ないことを考えると、日本の生食消費がどれほど多いかがご理解頂けると思います。

次に、日本での栽培状況ですが、商業出荷と試作試験を含めると全都道府県で栽培されていると言われています。全農が実施した2009年産いちごの作付調査では27都道府県で栽培面積3,299ha、出荷数量111,779tと報告されていますので、全体ではさらに広い面積でいちごが栽培されていると考えてよいと思います。

品種ですが、前述した「福羽」以来、何十、何百という品種が開発され世の中にでてきましたが、俗に「品種の10年周期説」というものがあり、どんなに優れた品種も10年で寿命を迎えると言われています。これは生産者側からすると収穫量が減ったり、病害虫への抵抗性が低下したりすること、販売者側からすると消費者のニーズに合っていないということが原因で品種の更新が発生するわけですが、現在栽培されている品種の特徴を一言で表すと「大きくて甘い」ということになります。
次項の表は全農集計による2009年産いちごの作付品種割合ですが、一世代前の品種と言える「女峰」と「とよのか」を除けば何れの品種も「大きくて甘い」と言う事が大きなポイントになっています。

- 2009年度 -

品 種 名 栽培面積(ha) 構成比率(%)
とちおとめ 1,025,0 ha 33%
とよのか 102,6 ha 3%
さちのか 301,3 ha 10%
あまおう 368,0 ha 12%
章  姫 121,6 ha 4%
さがほのか 511,7 ha 17%
女  峰 228,7 ha 7%
その他の品種 409,7 ha 13%
合  計 3,068,6 ha 100%

また、これまでとの違いを一つあげるならば、以前の「東の女峰」、「西のとよのか」と横綱に称されるような絶対的な存在が無くなり、一県一品種の「品種の戦国時代」と呼ばれる状況に現在は置かれていると言うことです。下の表の「その他の品種」には様々な品種が当てはまりますが、下の図にあるものがその主なものになります。「大きくて甘いもの」というポイントはそのままに、他産地の他品種と差別化できる独自の品種を育成したいと各県の試験場で試作が続いています。


県育成の主なイチゴ新品種

サマー サマープリンセス あまおう さがほのか 紅ほっぺ 女峰 さぬき姫 とちおとめ 紅ほっぺ 女峰 とちおおとめ あまおとめ ゆめのか 紅ほっぺ 紅ほっぺ こいのか こいのか

冬〜春

とちおとめ

とちおとめ  
主要産地 栃木 愛知
特徴 栃木県農業試験場で「久留米49号」と「栃の峰」の交配によって育成された品種。果実は円錐形の大果で、光沢のある鮮紅色。食味は甘味が強く、果汁も多い。栃木を中心に東日本の主要品種となっているが、後継品種を模索中である。

もういっこ

もういっこ  
主要産地 宮城
特徴 宮城県農業・園芸総合研究所で「MN3」と「さちのか」の交配によって育成された宮城県のオリジナル品種。果実は円錐形の大果で、果皮の色は赤色。果皮、果肉ともに硬く、輸送性に優れる。食味は良好。名称は「ついついもう一個食べてしまういちご」に由来する。

紅ほっぺ

紅ほっぺ  
主要産地 静岡 熊本
特徴 静岡県農業試験場で「章姫」と「さちのか」の交配によって育成された品種。果実は円錐形の大果で、果汁も多く食味が良い。通常、大きいサイズになると中心に空洞が出易くなるが、「紅ほっぺ」は空洞がでない。また、果肉は中心まで赤いのでカットしても映える。

あまおう

あまおう  
主要産地 福岡
特徴 福岡県農業試験場で育成された品種。この品種の特徴である、「赤い」、「丸い」、「大きい」、「旨い」の頭文字をとって「あまおう」と名付けられた。
福岡県が県外での栽培を許諾していないため福岡県でしが栽培ができない。どちらかと言えば生色向きだが業務でも使用は可能。

さがほのか

さがほのか  
主要産地 佐賀
特徴 佐賀県農業試験研究センターで「大錦」と「とよのか」の交配によって育成された品種. 果実は円錐形の大果で、光沢のある鮮紅色. 果実が比較的硬度なことから輸送性に優れる 食味は酸味が少なく、さっぱりとした甘み。

あまおとめ

あまおとめ  
主要産地 愛媛
特徴 愛媛県農業試験場で、「とちおとめ」と「さがほのか」の交配によって誕生した新しい品種。果実は綺麗な円錐形で食味も良い。「さがほのか」の影響からか、暖候期に入っても光沢のあるシッカリとした果実ができる。

ゆめのか

ゆめのか  
主要産地 愛知
特徴 愛知県農業総合試験場で「久留米55号」と「育成系統品種」を交配し誕生した品種。果実は円錐形で、果皮は鮮紅色で比較的硬い。食味は甘みと酸味のバランスがとれている。大玉になるにつれて多少空洞が発生する。名称は「みんなの夢がかなう美味しいいちご」に由来する。

女峰

女峰  
主要産地 香川 埼玉
特徴 栃木県農業試験場で育種された「とちおとめ以前の東の横綱」。綺麗な円錐形と甘酸の調和の良さから業務では根強い人気のある品種。
香川県も「さぬき姫」への転換が進み年々作付面積が減少しています。

さぬき姫

さぬき姫  
主要産地 香川
特徴 香川県農業試験場で、「三木2号」と「さがほのか」の交配によって育成されたオリジナル品種。 果実は少し丸みを帯びた円錐形の大果で、甘みが強く食味は良好。果皮の色はオレンジが強めの鮮紅色。

こいのか

こいのか  
主要産地 長崎 大分
特徴 九州沖縄農業研究センターにおける長崎県と大分県の共同研究の結果、「さちのか」と「とちおとめ」を交配し誕生した品種。果実は円錐形の大果で果皮の色は淡赤色。食味は酸味と甘味のバランスがとれており良好。名称は、「いつ食べても甘く、恋の甘さを連想させる」として命名された。

夏〜秋

サマープリンセス

サマープリンセス  
主要産地 長野
特徴 長野県南信農業試験場で、「NE-1(麗紅×夏芳)」と「女峰」の交配によって育成された長野県のオリジナル品種。果実は円錐形で、果皮の色は鮮紅色で艶がある。果実の内部は白色だが、果汁は比較的多く、ほど良い酸味で食味も良好。

サマーティアラ

サマーティアラ  
主要産地 山形
特徴 山形県庄内総合支所で「セルバ」と「紅ほっぺ」の交配によって育成された山形県のオリジナル品種。果実は円錐形で、果皮の色は鮮赤色で艶がある。果実の内部にも赤みがさし断面も綺麗。酸味と甘みのバランスがよく良好な食味。「ティアラ」は「宝冠」を意味する。

雷峰

雷峰  
主要産地 宮城
特徴 栃木県の市川氏によって「円雷」と「女峰」の交配によって育成された品種. 四季成り性が強いことから周年出荷が可能な品種 果実は円錐形で鮮橙色. 果皮果肉ともに硬く棚もちが良い 食味は酸味がやや強い

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